ますます甘くなる食品と飲料


Photo by Heather Ford

砂糖の健康に対する影響を鑑み、各国で砂糖税が導入されたり、子ども向けのチョコレートやアイスクリームなどの広告を禁止する等の対策が取られていますが、現実は世界中でパッケージ食品と飲料がより甘くなっていることを、オーストラリア・ディーキン大学の研究チームが報告しました。

同チームが2007年~2019年の市場データからパッケージ食品と飲料に含まれる砂糖と人工甘味料の添加量を調べたところ、飲料における1人当たりの人工甘味料の摂取量は36%、そしてパッケージ食品からの砂糖摂取量は9%増加していました。

砂糖の過剰摂取を防ぐ政策を取っている国では、人工甘味料が有意に増加していることも懸念されます。
人工甘味料で味覚が刺激され、より甘い物を求めるようになります。
また、人工甘味料自体が健康に悪影響を及ぼすことも報告されています。

東洋医学の「五味」における甘味は、例えばアマダイがあります。
昔はアマダイくらいが「甘味」でしたが、昨今では薬膳のクラスでこの例えを用いても、聞いておられる方々はピンとこないようで、それくらい私たちの味覚は刺激が強いものが当たり前になってきているのだと思います。

子どもの頃から強い甘味を与えていると、その後の人生においても影響を及ぼし続けます。
パッケージ食品を全く使わないというのは現実的ではないかもしれませんが、おやつにはくだものやナッツ、サツマイモなど加工度の低いものを意識するだけでも、長期的にはメリットがあると思います。

<参照>
■Cherie Russell et al., Food and drinks are getting sweeter. Even if it’s not all sugar, it’s bad for our health, THE CONVERSATION, July 29, 2022