2025年は乙巳(きのと・み)です。乙巳の五運六気は金運不及、厥陰風木司天、少陽相火在泉です。1年の前半は風気が支配し、後半は火気が支配します。
5月21日から7月24日にあたる三の気について、以下の記述があります。
三之气,自小满日寅初,至大暑日子初,六十日有奇,主位少征火,客气厥阴木,中见金运,火胜金,金胜木,天政布,风乃时举,民病泣出耳鸣掉眩,宜治厥阴之客.
客気は厥陰風木で「風(ふう)」と「肝」の症状が出やすくなります。風は変化が激しく、揺れ動く性質があり、風邪やイライラ、めまいなどが起こりやすいと予測されています。
この時期の養生のポイントは、強く出てくる風と肝の気を整えることです。風の邪気を体から取り除くことを去風作用と言いますが、東洋医学では、香りは気の巡りを良くして邪気を体外に追い出すと考えます。
日常的に使いやすいのは、ペパーミントや紫蘇です。漢方ではどちらも風邪の初期症状に使われ、ペパーミントは頭痛、紫蘇は胃腸不良にもよいです。
香りがある生薬としてはヨモギも挙げられます。
ヨモギには痛み止めや経絡をあたためる働きがあります。風池や太衝のツボに温灸をすると、頭に上がった気を下げるのでイライラやのぼせがやわらぎます。温灸をお持ちの方はぜひお試しください。