月経周期や基礎体温は年齢で変化する

現在、広く知られている月経周期や基礎体温の知識は、1950年代の米国で対象者数、650人のデータに基づくものなので、現代の日本人女性の実態を反映しているとは言い難いのではないかと考えられます。

そこで東京医科歯科大学の辰巳嵩征先生らの研究グループは、日本人女性31万人、600万月経周期のビッグデータを解析し、月経周期や基礎体温が年齢によって変化することを発表しました。

これによると、平均月経周期は10代から20代にかけ徐々に長くなり、23歳で平均30.7 日と最も長くなりました。その後、30代から40代前半にかけ徐々に短縮し、45歳で平均27.3日と最も短くなり、以降は再び長くなることがわかりました。

基礎体温について、低温期は年齢にかかわらず36.4度でほぼ一定でしたが、高温期の平均体温は10代から20代後半にかけて徐々に上昇し、29歳で36.7度まで上昇した後、30代は安定しますが、42歳を過ぎると下降することがわかりました。また、基礎体温は季節でも変わり、夏に高く、冬に低くなることがわかりました。

論文はグラフもあり、わかりやすくまとめられていますので、ご一読をおすすめします。

<参照>
「ビッグデータの解析により日本人女性の月経周期と基礎体温に新知見」―月経周期や高温期の基礎体温は年齢によって大きく変化― 、国立大学法人東京医科歯科大学他、2020年6月9日
■Takayuki Tatsumi et al., Age-Dependent and Seasonal Changes in Menstrual Cycle Length and Body Temperature Based on Big Data, Obstet Gynecol. 2020 Oct; 136(4): 666–674., Published online 2020 Sep 8. doi: 10.1097/AOG.0000000000003910, PMCID: PMC7505142