薬用植物としてのタンポポ


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この時期、いろいろなところでタンポポの黄色を見かけます。

タンポポは古今東西を問わず、薬用植物として使用されてきました。
タンポポの学名はTaraxacum officinale と言いますが、Taraxacumという名前は、ギリシャ語のtaraxos(障害)とakos(治療)に由来すると言われます。また、officinaleという言葉は、ラテン語で「薬効のある植物」を意味します。

民間療法や伝統的な知識では、タンポポには利尿作用、解毒作用、胃腸の調子を整える作用、美肌作用があると考えられ、古くから薬用植物として使用されてきましたが、現代ではタンポポの薬効についての科学文献も多数、報告されています。

イタリア・パーマカルチャー研究所の論文は、PubMedデータベースを使用して、タンポポの主な薬効成分を科学文献で検索した結果を検証しています。

そして、タンポポにおいて、利尿作用、肝保護作用、抗大腸炎作用、免疫防御作用、抗ウイルス作用、抗真菌作用、抗菌作用、抗関節炎作用、抗糖尿病作用、抗肥満作用、抗酸化作用、抗がん作用の12の治療特性が科学文献で一般的に報告されていると結論づけています。

私もタンポポについては長年研究を続けていますが、世界中で多数の研究が行われているということが、タンポポの有用性を裏付けています。

欧米ではタンポポは太陽のエネルギーをイメージさせることから、幸福と喜びのシンボルになっています。

タンポポが皆さんの健康を守る一助となり、幸せと喜びをもたらしてくれることを願います。

<参照>
■Agnese Di Napoli Pietro Zucchetti, A comprehensive review of the benefits of Taraxacum officinale on human health, Bulletin of the National Research Centre volume 45, Article number: 110 (2021), Published: 09 June 2021