出典:農林水産省Webサイト
兵庫県の「ちょぼ汁」は、産後の体力を回復させるために作られる郷土料理です。ズイキとササゲ豆、お団子が入っていて、見た目はぜんざいなのに、食べてみたら想像していた味と違うことから、食べたことのない方は驚かれると思います。
ズイキは里芋の茎です。母乳が良く出るようになるとのことで、日本では多くの地域で産後にズイキを食べる習慣がありました。東洋医学ではお血を取り、産後の心身を落ち着かせる働きがあるとされます。
ズイキは血液をきれいにする働き以外にも、食物繊維が豊富なので便通を良くしたり、貧血の改善にも用いられます。乾燥ズイキもありますが、今頃はちょうどズイキの収穫期にあたりますので、産後の女性だけでなく、多くの方に食べていただきたい食材です。
とはいえ、最近はズイキを食べる人もあまりいないだろうと思っていましたが、Instagramで検索すると、ズイキのサラダやスイーツ、ワンプレート料理がたくさん出てきました。
ズイキと言えば酢の物か煮物と思いがちですが、ズイキの赤色がアクセントになった「映える」写真で、今までのズイキのイメージが変わりました。
若い方たちの自由なアレンジにはいつも驚かされます。よい食材が新しい発想で使われていくのはうれしいことですし、私自身、とても参考になります。