高血圧の養生にタンポポ


Illustrated by うさぎや

冬になると脳卒中や心不全などが増え、医療に携わる方なら高血圧を意識した対応をされることが多いと思います。

高血圧だからといって特有の症状が出てくるわけではないので、健康診断で指摘されても放って置かれることが多いですが、心臓や脳の血管が詰まる病気のリスクが上がります。高血圧の管理において、適切な治療は必要ですが、それだけでは不十分で、やはり生活習慣の見直しが車の両輪として必要です。ご自身でできる高血圧対策のひとつとして、タンポポの葉から抽出したT-1エキスを提案します。

高血圧の治療において、体内の液体量を減らすことで血圧を低下させる利尿薬は最初に使用されることが多いです。降圧薬の効果があまりみられない場合でも、利尿薬と組み合わせることで効果が高まることがあり、血管を広げる働きもあります。おねしょのハーブの異名をもつタンポポは、伝統的な民間療法の中で、時間的にも空間的にも広範囲にわたって利尿剤として使用されてきた背景があり、それを裏付ける研究も多く発表されています。

また、私は研究でタンポポT-1が毛細血管を拡張し、血液循環を改善することを確認しています。高血圧の方は腎臓病や眼底出血など毛細血管の塊ともいえる臓器に症状が出るリスクが上がりますが、タンポポT-1の毛細血管を拡張する働きは、細かい血管を守ります。

タンポポT-1は研究で抗ウイルスの働きも確認されていますので、風邪やインフルエンザが流行る冬は高血圧対策とあわせて一石二鳥です。ぜひ、冬の養生にご活用ください。

<参照>
■George L. Bakris, MD, University of Chicago School of Medicine、高血圧の薬物治療、MSDマニュアル、レビュー/改訂 2022年11月