昨今は健康・自然志向の高まりを受けて、世界的に生薬の需要が増加しています。2020年代以降は、特にアジアと欧米で市場が急成長しており、先日も中国四川省にある中国伝統医薬の材料を扱う組合から、医薬品や健康食品用として今年は約2億円の沢瀉(たくしゃ)が日本に輸出予定と報じられました。
利水の働きがある沢瀉は当帰芍薬散、五苓散、八味地黄丸、猪苓湯など多くの漢方に配合されます。
中国の古書、『神農本草経』には「上品」として記載があり、中国では昔から健康維持のために使われてきました。脂っこい食事の後に使われることが多く、唐の詩人、白居易も贅沢な食生活による体調不良に沢瀉を用いていたと言われています。
現在でも、中国では沢瀉はダイエットやむくみ対策の薬膳茶として人気がありますが、体を冷やす作用が強いので、冷え性や体の弱い方、妊婦さんは医師や漢方専門家の指導のもとで使用することをおすすめします。
<参照>
■日本向けの中薬材「沢瀉」、今年初出荷 中国四川省楽山市、新華社通信、2025年6月27日