呼吸器疾患を助けるスープ


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夏の疲れから体調を崩す方が増えています。特に今年は、夏風邪以外にも、百日咳や新型コロナの再増加など呼吸器の症状が目立ちます。全国的に春から流行が続く百日咳は長引く激しい咳が特徴で、厚生労働省は「例年と比べてかなり多い状況が続いている」として注意を呼びかけています。新型コロナは、重症化は少ない傾向ですが、のどの痛みや鼻水、咳など主に上気道の症状がみられます。

体調が悪い時にはあたたかいスープを飲むことが多いですが、これが単なる気休めではなく、科学的にも一定の根拠があり、補助的ケアとして有効であることを、英国、西スコットランド大学の研究チームが報告しています。

同チームが急性気道感染症に対するスープの効果を評価した研究を対象にシステマティックレビューを実施したところ、スープには急性呼吸器感染症の症状を緩和する可能性がある事がわかりました。

スープを含む温かい液体は、粘液の排出を刺激し、鼻の空気の流れを改善するため、鼻づまりをやわらげます。特にチキンスープは、含まれるタンパク質に抗炎症作用があり、さらに野菜やショウガやニンニクなどのハーブが加わることで抗炎症作用、抗酸化作用、免疫サポート作用が増強される可能性が示唆されています。


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これらの知見から、「おばあちゃんの知恵」として長年にわたり呼吸器疾患の家庭療法として使用されてきたスープは、急性呼吸器感染症の補完療法として評価できると同チームは結論づけています。

これは東洋医学の「食は薬」という考え方とも一致しています。経験的に知られていることでも科学的な裏付けが行われることは、有効性・安全性を検証し、伝統と現代医学をつなぐうえで重要です。その意味で「おばあちゃんの知恵」にエビデンスのひとつを与えた同研究は意義があると思います。

<参照>
■Sandra Lucas et al., Were Our Grandmothers Right? Soup as Medicine—A Systematic Review of Preliminary Evidence for Managing Acute Respiratory Tract Infections, Nutrients 2025, 17(13), 2247; https://doi.org/10.3390/nu17132247, Submission received: 11 June 2025 / Revised: 20 June 2025 / Accepted: 2 July 2025 / Published: 7 July 2025