2026年1月に「アメリカ人のための食事ガイドライン」が発表されました。従来の内容から大きな方針転換が見られ、活発に議論が行われています。
今回は、タンパク質という観点から注目される個所と、日本での応用について、2回に分けてお話しします。
今回、発表された「アメリカ人のための食事ガイドライン」で特に争点となっているのは、長年「悪者」とされてきた脂質や赤身肉への制限が緩和、または推奨されている点です。これに伴い、これまで「控えめに」とされていた食材のいくつかが、積極的に摂るべきものになりました。
例えば、卵はコレステロールが懸念されていましたが、完璧なタンパク源で、脳の健康に不可欠なコリンが豊富な食材として推奨されています。また、発がん性や心疾患のリスクが言われていた赤身肉は、鉄分やビタミンB12の供給源として、未加工なら制限なしとされています。赤身肉、鶏肉、卵などの動物性タンパク質が良質なアミノ酸源として評価されています。
タンパク質の推奨摂取量において、現在の基準は体重1kgあたり0.8gですが、ガイドライン策定に向けた報告書や専門家組織の議論では、体重1kgあたり1.2~1.6gという科学的合意が示されており、健康維持や老化防止のために、推奨摂取量が約2倍にシフトしつつあります。
これを根拠に、現在、アメリカはタンパク質ブームの渦中にあり、パンやパスタだけでなく、チョコレートやチップスなどお菓子でもプロテイン入りの商品が当たり前になっています。
タンパク質は私たちの体を構成する主要な材料です。筋肉減少の防止に関係するのはもちろんですが、肌や髪、爪を強く健康に保つコラーゲンもタンパク質の一種です。抗体やホルモンもタンパク質から作られるので、免疫力を保ち、心と体のコンディション管理にも重要な役割を担います。
アメリカの新食事ガイドラインは、タンパク質を栄養素のひとつではなく、健康的な食事の中心軸に据えたという特徴があると言えます。


