オリンピックで選手たちの活躍を連日見ていると、新しいスポーツにチャレンジしてみたくなった方も多いのではないでしょうか。
運動の大切さはどなたも異論がないことと思いますが、一緒にスポーツをする仲間がいたり、ジム通いが習慣になっておられる方はともかく、「器具を用意しなければならない」「お金が必要」と思うとなかなか腰が重くなるのが現状ですし、やはり継続できるかどうかがカギになります。
最近、注目されていることにエクササイズ スナッキングがあります。
エクササイズ スナッキングとは、イスから立ち上がるときに、立ち上がる動作を何回かプラスしてスクワットにするとか、手を洗っている間につま先立ちをするといったながらエクササイズを、おやつをつまむような感覚で、1日に何回か行うことです。
自重トレーニングですので、特別な道具は必要ありません。私はよく階段昇降をおすすめしていますが、これもエクササイズ スナッキングとすることができます。
そんなことで何が変わるのかと思われるかもしれませんが、筋力トレーニングの経験がない高齢者に、1カ月にわたり1日2回、自宅でエクササイズ スナッキングを行ってもらったところ、運動をしなかった対照群と比較して、イスから立ち上がる能力が31%向上したことを報告する研究もあります。
ちょこちょこ口にしてしまう小さなお菓子がどれほど体重を増やすか身にしみておられる方なら、エクササイズ スナッキングの効果も容易に想像できるのではないでしょうか。
「歯を磨くときはいつもつま先立ち」が習慣になってしまえば、十分な筋力トレーニングが期待できます。ぜひお試しください。
<参照>
■Keith A Stokes et al., Exercise Snacking to Improve Muscle Function in Healthy Older Adults: A Pilot Study, J Aging Res. 2019 Oct 3:2019:7516939. doi: 10.1155/2019/7516939. eCollection 2019., PMID: 31687210 PMCID: PMC6794984 DOI: 10.1155/2019/7516939