年始の風物詩のひとつに七草粥があります。
七草とはせり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろのことで、ごぎょうはおぎょうという地域もあります。これらは薬草としても使われます。せりは利尿、すずしろは消化を助け、ごちそうが続いてフル稼働したおなかを休ませてくれます。痰切りのごぎょうと咳止めのカブは風邪によいです。
おもしろいのははこべらです。産後の浄血や催乳、煎じ液を湿疹に使う療法は昔から知られていますが、『和漢三才図会』にははこべらと塩をあわせて歯磨き粉として用いる方法が書かれています。
なずなは女性ホルモンをととのえてくれる生薬として、フランスでは女性の不正出血や月経過多に使われます。
昔は七草粥を食べて門松をはずし、日常に戻りました。2021年もみのり多き一年となるよう、力を合わせていきましょう!
<参照>
■森田敦子、『自然ぐすり』、ワニブックス