タンポポ葉が新しい抗菌剤の開発リソースになる可能性


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尿路感染症は、尿路に細菌が入り込み、炎症を起こす病気です。多くの場合、大腸菌が尿道から入り込むことで起こり、女性は男性に比べて尿道が短いため、女性に起こりやすいと言われます。

予防として尿で菌を洗い流すのが有効ですが、冬は水分をあまりとらないため尿の量が減り、菌が増殖しやすくなります。排尿時の痛みや頻尿、残尿感などは非常に不快で、生活の質を大きく損ねます。

今回は、尿路感染症に関連してチリの研究チームが発表したタンポポ抽出物の抗菌活性に関する論文をご紹介します。

この研究は、尿路感染症の原因菌に対する新しい天然由来の治療薬を探すため、タンポポの葉に含まれる成分の抗菌作用を検証することを目的に行われました。

同チームは乾燥させたタンポポの葉から成分を抽出し、尿路感染症を引き起こす代表的な4つの細菌、黄色ブドウ球菌、大腸菌、肺炎桿菌、緑膿菌を対象に実験を行いました。

その結果、特に黄色ブドウ球菌に対して、抽出物は約89%という高い増殖阻害率を示し、大腸菌に対して約44%の阻害率、肺炎桿菌や緑膿菌に対しても一定の抑制効果が見られました。

これを受けて同チームは「タンポポは新しい天然の抗菌剤を開発するための有望な資源になる可能性がある」と結論付けています。

<参照>
■Katy Díaz et al., Isolation and Identification of Compounds from Bioactive Extracts of Taraxacum officinale Weber ex F. H. Wigg. (Dandelion) as a Potential Source of Antibacterial Agents, Evid Based Complement Alternat Med. 2018 Jan 1;2018:2706417. doi: 10.1155/2018/2706417