体外受精治療を受けている女性の胚盤胞獲得率と出生率に関するDE-T1の研究論文


Illustrated by 松本松子

体外受精治療を受けている女性の胚盤胞獲得率と出生率に関するDE-T1の研究論文を発表しました。

体外受精治療を受けている女性の胚盤胞獲得率と生児出生率におけるDE-T1の影響を後ろ向きに分析するために、2012年8月1日から2020年2月29日まで、英ウィメンズクリニックで体外受精治療を受けた30歳以上の計1014人の患者を対象に検討を行いました。
DE-T1はタンポポから抽出されたアミノ多糖類の一種です。

患者はDE-T1 サプリメントの使用を自身で選択したかどうかに基づいて、サプリメント使用グループとサプリメントを使わないグループの2つに分けられました。

これらの間で、全体の胚盤胞獲得率と年齢別の胚盤胞獲得率、さらにITT解析を使ってAMH値別の胚盤胞獲得率を比較しました。
また、胚移植に成功した患者の中で、サプリメント使用グループとサプリメントを使わないグループの間でカイ二乗検定を使用して生児出生率を比較しました。

結果は以下の通りです。

サプリメント使用グループの胚盤胞獲得率は75.98%で、サプリメントを使わないグループの57.28%より有意に高くなりました。

年齢別の胚盤胞獲得率において、サプリメント使用グループはサプリメントを使わないグループよりも有意に高くなりました。
30歳以上35歳未満ではそれぞれ90.97%と74.32%、35歳以上40歳未満ではそれぞれ82.40%と69.79%、40歳以上43歳未満ではそれぞれ72.90%と52.11%、43歳以上では53.29%と22.95%でした。

AMH値別の胚盤胞獲得率において、サプリメント使用グループはサプリメントを使わないグループよりも有意に高くなりました。
AMHが1.1以下ではそれぞれ56.47%と40.44%で、AMHが1.1より高い場合、88.48%と71.08%でした。

生児出生率において、サプリメント使用グループ(57.53%)はサプリメントを使わないグループ(40.0%)よりも有意に高くなりました。

上記の結果より、「DE-T1サプリメントは、体外受精治療を受けている女性の胚盤胞獲得率と生児出生率改善に寄与している可能性がある」「DE-T1サプリメントは年齢が高い方やAMH値が低い女性にメリットとなる可能性がある」と結論づけています。
PDFで全文を公開していますので、ご一読いただければ幸いです。

<参照>
■Hui SHAO, Yoji YAMAGUCHI, Toshiaki NOZAKI, Li BAI, Xi DONG, Dongzi YANG, Shuang JIAO, Junko OTSUKI, Shoji KOKEGUCHI, Masahide SHIOTANI, DE-T1 On The Blastocyst Obtained Rate and Live Births Rates in Women Receiving IVF-ET Treatment, DOI: 10.21203/rs.3.rs-900217/v1, Posted Date: October 1st, 2021

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