年中、食卓に上ることの多いサケですが、体をあたためる食材として冬の鍋には欠かせません。
サケは抗酸化作用があることも知られていますが、その秘密はサケのサーモンピンクにあります。
サケは主にオキアミを食べます。
オキアミはヘマトコッカスなどを食べます。
ヘマトコッカスは緑藻類なので緑色ですが、ストレスにさらされると、体を守るためにアスタキサンチンを作ります。
アスタキサンチンは赤い色素なので、赤くなったヘマトコッカスを食べたオキアミを介してサケに伝わり、サケの身が赤くなるというわけです。
アスタキサンチンはカロテノイドの一種で、強い抗酸化作用を持ち、脂質の過酸化を抑制する力はビタミンEの1000倍と言われます。
サケの身を赤くするアスタキサンチンは、やがてサケの卵であるイクラに受け継がれていきます。
子どもたちがストレスに立ち向かうときに役立ちますようにと願う親心を感じます。
<参照>
■田中修 丹治邦和、『植物はなぜ毒があるのか 草・木・花のしたたかな生存戦略』、幻冬舎
■富士化学工業HP、アスタキサンチンの魅力