先天梅毒が過去最多に

Photo by chathuporn

国立感染症研究所の感染症発生動向調査によると、先天梅毒と診断された赤ちゃんの数は2023年初めから11月5日までに34人(速報値)になりました。最近の5年間は年20人前後で推移し、これまで最多だった19年の23人を大きく上回ります。

先天梅毒は梅毒に感染した妊婦から胎児にうつるもので、障害を持って生まれたり、流産や死産に至る例もあります。

大人の梅毒患者が増加している影響とみられ、梅毒全体の患者数は11月5日までに1万2679人(速報値)と、過去最多だった昨年からの状況が改善されていません。

2022年の調査によると、女性の感染者の6割が20歳代に集中しています。妊婦の感染が毎年200人規模であることも懸念されます。

梅毒は感染力が大変強いので、傷口から細菌が入って感染する可能性もあります。普通に生活をしていたら誰でもかかる可能性があると考える方が妥当です。

潜伏期間中も人に感染させることがあり、治療後も繰り返し感染する可能性があります。保健所で無料の検査を匿名で受けることができますので、疑わしい症状があれば、早めに検査を受けることが大切です。

関連記事として、過去記事「梅毒は定期的な検査と早めの治療を」もあわせてご覧ください。

<参照>
妊婦からうつる「先天梅毒」過去最多の年間34人、大人の感染増加が影響か、読売新聞オンライン、2023/11/19