妊娠中のビタミンD摂取量が子どものアレルギーと関連


Illustrated by 01

富山大学の研究チームが、妊娠中のビタミンD摂取量が多くなるほど子どものアレルギー性鼻炎の症状が低くなることを報告しました。

同チームが約73000組の母児を対象に妊娠中のビタミンD摂取量と子どもの3歳時点のアレルギー疾患との関係について調査したところ、アレルギー性鼻結膜炎を含む他の項目では明らかな差は見られなかったものの、アレルギー性鼻炎において、ビタミンD摂取量が多いグループでは、少ないグループと比較して、花粉症と診断されている子どもの割合が低いことがわかりました。

同チームは妊娠中のビタミンD摂取量を増やすことでアレルギー疾患のリスクを減らせる可能性に言及していますが、今回の研究におけるビタミンDの摂取量の平均値は1日あたり4.7μgと、食事摂取基準(2020年版)で示された妊婦の目安量である7μgより大幅に少ないことが懸念されます。

着床環境や排卵障害の改善、習慣流産リスクの減少など、ビタミンDと妊娠を関連付ける論文が多く発表されており、妊活中に必ず摂りたい栄養素として注目されています。

周産期においても、ビタミンD不足は妊娠高血圧症候群、胎児発育不全、早産、妊娠糖尿病、不育症等に関連することが報告されています。また、細胞増殖、分化、アポトーシス、免疫調節等に関わり、胎児にとっても発育のすべての段階で不可欠な脂溶性ビタミンです。

ビタミンDの重要性については、今後も継続して情報を発信していきたいと思います。
妊活とビタミンDの研究やビタミンDを効果的にとる方法などについて、ぜひ過去の関連記事もあわせてご覧ください。

■妊婦のビタミンD摂取は致命的な疾患リスクを軽減する

■子宮筋腫にビタミンDの有望性が示唆される

■キノコでビタミンD補充

■産後の低骨密度が痩せている女性に顕著

■【YouTube】「ビタミンDを取るには」を公開しました

■サワラもウナギも冬が旨い

<参照>
妊娠中の食事からのビタミンD摂取量は子どもの3歳時点のアレルギー疾患と関連する:エコチル調査、富山大学、2023年11月14日