顆粒膜細胞のはたらき


Photo by ひさノリダー

不妊治療中、AMH(抗ミュラー管ホルモン)を測ることがあります。
血中AMH値はこれから成長してくる成熟卵胞の数を反映すると考えられています。
つまり、卵巣内にある前胞状卵胞数が多ければAMHの値は高く、少なければAMHの値は低くなります。

AMHは、原子卵胞が成熟卵胞に成長する途中の前胞状卵胞の顆粒膜細胞から分泌されるホルモンですが、最近、顆粒膜細胞の働きが注目されています。

顆粒膜細胞は卵子のまわりについている小さな細胞です。
顆粒膜細胞は、例えるなら卵子が育つときにお世話をする保育士のような存在です。
保育所に通う子どものためにお母さんがお弁当を作って持たせても、保育士がお昼に子どもにお弁当を食べさせなければ、子どもはおなかを満たすことができません。

同様に、いい卵子を作るために栄養や漢方を摂ることは大切ですが、それらを提供しても仲介して取り込んでくれる顆粒膜細胞が少ない、またはうまく働いてくれないとそれらは届かず、原始卵胞は育つことができません。
排卵誘発剤を使っても卵胞が大きくならない、空胞になるというのは、顆粒膜細胞が少ない、または薬に対して反応しないということも一因です。