日本医学の祖 鑑真和上


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岡山大学の研究グループが、現代日本で使われている漢方薬は、鑑真和上がもたらした漢方薬に源流があることを発表しました。

鑑真和上は戒律を伝えたことで有名ですが、医薬にも精通しており、生薬や医学書も伝え、医学の祖として讃えられています。

劉詩卉博士が入手した、鑑真和上が日本にもたらした漢方薬と同じセットの現物である鑑上人密方を代々受け継いできた家系の雷雨田さんの著書、『三宝問世』には、鑑真和上が日本にもたらした漢方薬の全容が記載されており、それによると現代日本で使用されている漢方薬の源流は、鑑真和上がもたらした漢方薬にあることがわかるとのことです。

鑑真和上と漢方といえば、漢方の野崎薬局の野崎康弘先生が真っ先に思い浮かびます。

野崎先生は、鑑真和上へのご恩返しということで、長年、たいへん意義のある活動を続けてこられました。

唐招提寺が金堂大修理の際に取り壊した薬草園は2022年4月から一般公開されていますが、この間、たくさんの薬草・薬木を神薬才花苑で20年以上、大切に守ってきたのは、野崎先生が代表を務められる鑑真和上才花苑運営委員会です。

私たちの医学の進歩は、陰に陽に力を尽くす方々に支えられています。

このような大変な事業を成し遂げようと決意し、やり遂げる才花苑の皆さまにはもちろんのことですが、それを時を超えて後押しする力となる鑑真和上の偉大さに改めて敬服します。

<参照>
■岡山大学プレスリリース、鑑真和上がもたらした漢方薬が現代日本の体系化された漢方薬処方の源流!、2022年10月28日
■茜灯里、「鑑真が持ってきた36種が今日の漢方薬の源」との研究結果 日本の漢方医学の歴史、Newsweek、2022/11/8