温灸で妊婦さんの不調を改善


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妊婦さんにはしばしば疲れやすい、頻尿、全身倦怠感などが起こります。
一般にマイナートラブルと呼ばれ、「出産への悪影響がない妊婦の自覚的な現象」とされていますが、軽いに越したことはありません。

温灸が妊婦さんのマイナートラブルを軽減し、生活の質(QOL)を保つことを助けるという論文がありますので、ご紹介します。

温灸群164例、対照群128例において、温灸群は週3日以上、妊婦さんが自分で温灸を行いました。
温灸を行った方法は、基本的に妊娠24週から三陰交に左右1壮、28週から2壮、37週から三陰交に至陰を加えて3壮を行いました。

妊婦さんにマイナートラブルの苦痛度を評価してもらったところ、同論文は温灸群が対照群より有意に効果があったものとして、腰背部痛、こむら返り、骨盤痛、肩こり、抑うつ気分を挙げています。

また、他の苦痛度においても、妊娠経過に伴って対照群では疲れやすさや全身倦怠感の増加が見られましたが、温灸群ではほとんど変化が見られませんでした。

よい状態で妊娠期間を過ごせることは、出産後の生活にも影響します。
温灸は手軽にできるセルフケアです。
ぜひ活用してみてください。

<参照>
■木村葉子他、妊婦のセルフケアによる温灸療法の効果 – マイナートラブルの苦痛度とQOLを指標にして –、母性衛生 63 (2) 428-437, 2022.