「ありがとう」の効果を最大化する方法

Illustrated by しろまるん

論文、とひと口に言っても堅苦しいものばかりではありません。「どのように感謝の気持ちを表現すれば、その効果を最大化できるのか」について、トロント大学の研究チームが111組のカップルを対象に調査を行いました。

この研究では、感謝を伝える2つの方法、ひとつはしてほしいと思っていたことをまさにしてくれたことに対して感謝を伝える「反応を強調する方法」、そしてもうひとつはしてくれたことが大変だったことに対して感謝を伝える「負担を強調する方法」において、それぞれがお礼を言われた方のリアクションと両者の関係にどう影響を及ぼすかを調べました。「反応を強調する方法」で感謝を伝えると、ありがとうと言われた方は気持ちが上がりましたが、対照的に「負担を強調する方法」にはそのような効果はみられませんでした。

例えば、車で送ってもらった時に「混んでいるのに送ってくれるのは面倒だったよね、ありがとう」と負担を強調して言うよりも「今日、あなたが送ってくれなかったら遅れていたよ、ありがとう」と言う方が、感謝の言葉がより効果的に伝わるということです。なぜなら、人の行動はパートナーが幸せであることによって動機づけられているので、自分の行為がパートナーが望んでいることにぴったり合っていることを知ると満足感を得るからです。

「あなたのおかげでどれだけ助かったか」を強調するだけで「ありがとう」の一言が最大限の効果を発揮すると聞いたら、試さない理由はありません。

<参照>
■Yoobin Park et al., How can I thank you? Highlighting the benefactor’s responsiveness or costs when expressing gratitude, Journal of Social and Personal Relationships, October 16, 2020
■CARLY CASSELLA, New Research Shows The Best Way to Express Gratitude to Your Loved One, And It’s Easy, science alert, 24 OCTOBER 2020

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