孤独を癒す「聞く力」

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アメリカの公衆衛生当局が発表した「最新の公衆衛生上の伝染病」が何かおわかりになりますか。

孤独です。

孤独は脳卒中や心臓病、うつ病、不安症、認知症などの精神的健康上のリスクを高め、早期死亡のリスクを30パーセント近く上昇させると報告書は伝えています。
米国軍医総長であるヴィヴェク・マーシー博士によると、孤独は1日に15本のタバコを吸うのと同じくらい危険であるとのことです。

アメリカ人は家族も含めていろいろなグループに積極的に参加しなくなっており、孤独感が増加したと最近の研究で報告されています。

未婚の単身者がいる世帯数も過去60年間で2倍に増加しており、新型コロナウイルス感染症のパンデミックはこの状況にさらに拍車をかけました。

「孤独は飢えや渇きのようなもので、生き残るために必要なものが欠けているときに体が送る感覚です」とマーシー博士は述べます。

SNSの発達でより簡単にコミュニケーションがとれるようになりましたが、マーシー博士は対面でのやり取りに代わるものはないと述べ、コミュニティグループに参加することをアドバイスしています。

他人のどうでもいい話を長々と聞かされるのは面倒だと思われるかもしれません。
そのような方はぜひ『LISTEN』を読んでみてください。「話を聞く力」がどれほどあなたにとってプラスになるかがわかれば、少なくとも友人と会うときは、携帯電話を置いて話をするようになると思います。

<参照>
■Caty Weaver, Top US Government Doctor Declares Loneliness a Big Health Problem, VOA, May 08, 2023
■ケイト・マーフィ (著),・篠田真貴子(監訳)・ 松丸さとみ (翻訳)、『LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる』、日経BP