下半身の保温に足湯


Illustrated by さしみ(sashimi)

今の時期の養生の言葉に「寒冷は足もとより生じる」というものがあり、寒さの影響を受けやすい下半身の保温がとても大切です。

中国ではこの時期、足湯が人気です。
40度程度のぬるめのお湯に足首まで20分ほどつかるとあたたかくなってきます。
そのあと、足の甲や指、裏などをやさしくマッサージします。

中国では足のマッサージをする前に足湯をするところが多く、女性の方にはお湯に花を入れてくれるところもあります。
薬草を入れたあたたかいお湯に足をつけるとさっぱりするだけでなく、足のツボと反射区が刺激され、気と血流の循環が促進されます。皮膚や筋骨をリラックスさせ、全身の代謝を高めます。

2000年以上前の東周王朝ですでに足湯をしていた記録があり、いぶしたり蒸したりといった加工した薬草も使われていました。
長寿の皇帝として知られる乾隆帝は足湯が大好きで、寒いときは経絡を活性化する細辛、紅花、艾葉、肉桂、丁香を加えていたと言われます。

足をあたためるのには温灸もおすすめです。
この時期の寒が体の中に入ってこないように、温灸と足湯を上手に利用しましょう。