生薬に由来する名字


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薬剤師が活躍するのでよく知られているのは、テレビドラマにもなった『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』ですが、「薬剤師・毒島花織の名推理」シリーズもおもしろいです。

主人公は薬剤師の毒島花織さん。
自他ともに認める薬オタクで、処方箋という限られた情報から薬にまつわる事件を次々と解決していきます。

認知症の薬やサプリメントなど、身近な話題で次々と読み進めることができますが、薬について知識がなければ薬の効果を充分に活かすことはなかなかむずかしいということがよくわかります。
薬剤師は薬を渡すだけの仕事だと思っている方もおられますが、やはり薬剤師の役割は大きいと改めて思いました。

ちなみに、主人公の名前である「毒島」は「ぶすじま」と読みます。

今でこそ、ちょっと驚いてしまう読み方かもしれませんが、「毒島」は群馬県桐生市に多い名字で、「附子(ぶす:トリカブト)」に由来し、もともとは薬を扱う人たちが名乗っていた室町時代から続く由緒ある名字とのことです。

トリカブトは生薬としても使われますので、納得です。

<参照>
■塔山郁、『薬は毒ほど効かぬ 薬剤師・毒島花織の名推理』、宝島社

■NHK番組制作班編 森岡浩監修、『日本人のおなまえっ!日本がわかる名字の謎』、集英社インターナショナル