薬としての桜


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各地で満開の桜が人々の目を楽しませています。

桜は美しいだけでなく、薬としても有用な植物です。

華岡青洲は著書、『瘍科方筌(ようかほうせん)』で「桜皮を煎じて飲めば食中毒によい」と記しています。

また、華岡青洲は中国の処方をもとに、日本人向けに十味敗毒湯を作ったと言われています。これは殺菌作用がある桜の皮を配合したもので、化膿した皮膚やじんましんなどに用いられます。

昔、桜は薬として人々に広く使われており、小林一茶は桜の句を多く詠んでいますが、そのひとつ「山桜 皮を剥がれて 咲にけり」からそのようすが想像できます。


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桜の花を塩漬けにしてお湯を注いだ桜茶は二日酔いをやわらげるといわれます。
お花見で飲み過ぎたら、試してみるのも一興です。

<参照>
■クラシエ、十味敗毒湯