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『妊娠しやすい食生活 ハーバード大学調査に基づく妊娠に近づく自然な方法』にはハーバード大学による女性看護師を対象にした大規模疫学調査、「看護師健康調査(Nurses’Health Study)」 に裏付けられた妊娠のチャンスを高める食生活の7つの原則がまとめられています。
妊娠のための情報は数えきれないほどありますが、本書が提示する7つの原則には長期間にわたる調査研究に基づいた科学的な裏付けがあります。7つの原則とは以下になります。
1)全粒粉など、精製度の低い穀類を選ぶこと。食後の血糖値を急激に上げるような精製された炭水化物は減らすこと。
2)オリーブオイルのような不飽和脂肪酸を多く摂り、加工食品やファーストフードなどに含まれるトランス脂肪酸は避けること。
3)牛乳、あるいはヨーグルトやアイスクリームは無調整のものにすること。スキムミルクやカッテージチーズ、フローズンヨーグルトなどの低脂肪(無脂肪)乳製品の摂取は回数を減らすこと。
4)植物性タンパク質を多く摂り、動物性タンパク質を減らすこと。
5)葉酸やビタミンB群を含むマルチビタミンのサプリメントを摂取すること。
6)水を十分に飲むこと。コーヒー、紅茶は控えめに。砂糖入りの清涼飲料水は飲まないこと。
7)体重をコントロールすること。太りすぎているようであれば、排卵障害の改善のために体重の5~10%を減量すること。1日30~60分、体を動かすこと。何もしていない人は運動を始めること。
※『妊娠しやすい食生活』p13より引用。
これを実践したからといって妊娠が保証されるわけではありませんが、看護師健康調査の被験者のうち、全く取り入れていない女性と比較すると、一つでも実践している女性は排卵不妊リスクが30%減少し、5つ以上を実践している女性は84%も減少していると書かれています。
何を根拠にこの7つの原則が導かれるのかという詳細は本書に譲りますが、食生活と妊娠の関連についての関心は高く、今後も多くの研究が発表されると思います。『妊娠しやすい食生活』はその先駆者的存在であり、妊娠を希望されている方、そして子宝相談に関わる方には一読の価値がある一冊であると思います。
<参照>
■ジョージ・E・チャヴァロ、ウォルター・C・ウィレット、パトリック・J・スケレット、妊娠しやすい食生活 ハーバード大学調査に基づく妊娠に近づく自然な方法、日本経済新聞出版社