不妊治療の保険適用は43歳未満


Illustrated by あるにらむ

2022年4月から不妊治療に関連する大きな変化がありますが、それらの決定が12月に入って次々と行われています。

まず、2022年4月から始まる不妊治療の医療保険適用について、大筋が明らかになりました。

これまで、医療保険適用の年齢制限については議論が難航していましたが、12月15日の中央社会保険医療協議会総会で、「不妊治療の保険適用は43歳未満」という方針が固まりました。
女性が40歳未満の場合は子ども1人につき6回まで、40歳以上43歳未満は3回までとなります。

そして、2022年4月以降、流産を2回以上繰り返した場合、基準を満たした認定施設で着床前検査を受けられるようになる実施基準を日本産科婦人科学会がまとめました。

どちらも長い間、検討されていたことがようやく動き出した感はあるものの、軌道に乗るまでは紆余曲折があると思います。
不妊治療の医療保険適用と着床前検査については、今後、患者さんから質問されることが増えると予測されます。報道ベースの情報収集はもとより、不妊治療クリニックの先生方からも現場の声を聞いて、伝えていきたいと思います。

忘れてはいけないのは、不妊治療の保険適用は43歳で線引きがされますが、決して43歳になったから子どもを産むことができなくなる訳ではないということです。

現状でも43歳を超えて不妊治療をされている方はたくさんおられます。
そのような方々のお気持ちにどれだけ寄り添い、解決策を提案できるのか、不妊治療に携わる側も力量が問われていると身の引き締まる思いです。

<参照>
■不妊治療保険適用43歳未満、神戸新聞夕刊、2021/12/15
■流産2回以上で着床前検査容認、神戸新聞、2021/12/12